2010年12月14日火曜日

記憶の糸

今日は,記憶を辿る一日だった。

まず,S 南工科大学の A 先生(わかる人には伏せ字の意味ないな…)からのメールで,13 年前の出来事について。ちょうど僕が学位を取って電通大の助手になる直前くらいの話。断片的な記憶はあるんだが,どうもはっきりしない。ただ,メールのやり取りをしているうちにいろんなことを思い出した。

次は,東京高専の僕と同じ学科の Y 先生からのメール。3 年前に僕が担当した仕事について。これもちょっと前のことなのによく覚えてない。学生の顔とか,学生と何を話したかは覚えているんだけど…

最後は,今指導している学生とのやり取りをきっかけに,ここ 1 ~ 2 年,何人かの学生にさせていた研究や実験の内容を思い起こした。「このとき,何で彼にこういうことさせてたんかなぁ?」みたいな話。さすがにこれは今も進行形なので,すぐに記憶がつながったけど。

いやぁ,人間の記憶って曖昧なものだね。こういうとき,やっぱり最終的に決め手になるのは物的証拠だったりする。上の 3 つのケースは,どれも物的証拠が上がって,あやふやな記憶が確信に近付いた。取っておくと良いこともあるのだ。


ところで,今日は学生向けの実験教材を作っていた。ウチの専攻科生向けの実験で,簡単なステガノグラフィに関するもの。まず,画像データに対し秘密情報の埋めこみと抽出を行なうプログラムを用意する。自作しても良いが,今どき,ネットを検索するとピンからキリまでゴロゴロ転がっている(このことの是非はとりあえず今は問わない)からそれを使っても良い。

実験テーマの一つは,これらを用いて実際に何らかの秘密情報ファイルを画像に埋めこみ,埋めこむ情報量とこれらの透明性(埋め込んだ後の画像(ステゴ画像)を観察して,埋めこまれた事実が確認できるかどうか)のトレードオフを検証することと,ステゴ画像から秘密情報が正しく抽出できるかどうかの確認。実験テーマの 2 点目は,ステゴ画像にベンチマークテスト用のプログラム StirMark を適用することで,さまざまな攻撃を加えた画像を作成し,これら攻撃後の画像から埋めこまれた秘密情報が抽出できるかどうかを調べる実験。いずれも難しくはないけど,手間がかかる。こういうことを専門でやっている学生も,そうでない学生も対象にできるので,実験とか演習のテーマとしては,適当なんじゃないかと思う。

ちなみに,僕は専攻科生向けの授業や演習のテキストは英語で渡すことにしているので,これらも英語で作成。学生にとってはこれも修行の一つ。

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