あんまり知られていないみたいだが,オーストラリアの国歌は "Advance Australia Fair" というそうだ。和訳では,
前進せよ,美しのオーストラリア
という。
一方,寺山修司はこんな言葉を残している。
振り向くな,振り向くな,後ろには夢がない。
もうちょっと理系な人では,ヤコビアンでおなじみ,ドイツの数学者 カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビが
つねに遂行せよ。
なんてことを言っているらしい。
…まだ,話が見えませんね。
さて,僕の職場ではここ 3 年,「国際通用力のある若き実践的エンジニア育成」プログラムという事業(通称:SPHERE TOKYO プロジェクト)を進めてきた。これは文科省が指定する「質の高い大学教育推進プログラム(教育 GP)」の一環で,国際舞台で英語を使ってプレゼンやディスカッションができるような若い技術者を育てるための教育システムを構築する,というのが主たる目的。
今年は 3 年計画の 3 年目で,今日,3 年間の最終成果報告会があったらしい。僕もこのプロジェクトの幹事の一人として計画段階から関わっていた(一応,ロゴデザインと SPHERE の命名は僕の作品…無報酬……無報酬…)んだけれど,一番大事な最終年度に海外に高飛びしたというわけ。そのせいで,何人かの先生方にはいろいろと想定外のご負担をかけてしまった。ごめんなさいね。いや,ホンット,申し訳ない。
さて,プロジェクトの目的は上に書いたとおりだが,この事業を通して学生に伝えたいことは「英語って大事だよ」ということだけではない。誤解を恐れずに言えば,「英語」はもっと大切なことを伝えるための媒体に過ぎないかもしれない。で,本当に伝えたいことは何かというと,
とりあえず,やってみろ
ってことだ。ウチの学校に限ったことじゃないと思うが,自分が学生だったことに比べると,積極的で元気のいい学生が少なくなってきたような気がする。昔はもっとバカみたいなことを後先考えず,本気で始める元気と勇気のある輩が多かったように思うわけ。
まぁ,後先は多少考えてくれないと困るんだが,それでも何もしないよりはやってみた方がいい。10代のうちから失敗を恐れて手を出さないというのは,もったいないと思う。やってみることのメリットは計り知れないし,仮に失敗したってそこから学べることは多い。それに結果はともかく,トライしたことによる経験値は絶対に糧になる。年寄りになってからは失敗すると取り返しがつかないこともあるから,学生のうちの特権だと思うんだけどね。特権が与えられているのに使わないなんて,ホントもったいない。まぁ,「特権」だと気づいていないって話もあるけどね。
だから,このプロジェクトを通して,できるだけ多くの学生に積極的に一歩前に出る経験をして欲しいというのが僕らの本音の部分にあったわけ。
(そうですよね? 僕,暴走してませんよね? >> 他の先生方)
かくいう僕も学生時代,なんでもかんでもやってきたかというと,そうでもない。「あれもやりたかった。」「あんときこうすればよかった。」ってことがないわけじゃない。でも「あれはやってみてよかったなぁ」って経験だって確かにあるわけだ。で,そういうときに積んだ経験ってのは,今でも自分の行動原理の一部になっていたりすると思うんだよね。
ということで,学生の皆さんには,今のうちにいろんなことにチャレンジして経験値を高めてほしい。で,その経験値を活かして,懐の深い「素敵に遊べる」大人になって欲しいと思うね。
僕もまだ修行が足りないと思うし,もう少しいろいろやってみようという悪だくみは尽きない。もう少し,遊んでみようかね? ってね。……暗に自分の行動を正当化してるわけでないぞ。念のため。
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