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2011年3月27日日曜日

ラストスパート

えー,いろいろな理由により最近更新が滞ってました。いろいろな理由は別に書くほどのことでもないのでスルーして,ここしばらくの近況報告をば。


22 日 (火)
アデレードの最終日は,Coopers のビール工場見学へ。


平日ということもあったんだろうが,見学者は僕 1 人のみで,担当の兄ちゃんとマンツーマン。そのせいか雑談しながら,普段見せてもらえないところを見せてもらったりできて良かった。見学後の試飲も,ここで作っているビール全 11 種類を呑むことができた。本当は 12 種類だが,low carb ビールは,呑むか聞かれたので断った。そしたら兄ちゃん「オレもこれは呑まん」だってよ。アンタが言っちゃいかん。正直なのはいいけど。呑んだ中では特に vintage の年代が違う 2 種類を呑み比べられたのが収穫。ここのビールはオーストラリアではどこに行っても呑めるほどメジャーだが,中には出来のいいものもあるので,他の大手のビール会社と比べると,侮れない面もあると思う。


23 日 (水)
前夜にパースに移動し,この日がパース初日。パースは 15 年ぶりの訪問。今回の滞在中,初の西オーストラリアだが,これでこの 1 年間で,オーストラリアのすべての州・地域を廻ったことになる。この日は市内のアートギャラリーやら造幣局やらを見て回ったが,市内を流れるスワン川に面したところに The Old Brewery というビール醸造所があるということで,当たり前のようにそこを訪問。


5 種類あるバリエーションの中から Wheat,Brown Ale,Pale Ale の 3 杯をいただく。Wheat はバナナやクローヴの香りが楽しめる南ドイツ伝統のスタイル。Brown はナッツやビスケットのようなモルトアロマが支配的なエールで,英国伝統だと思うが,ここオーストラリアでも多く呑めるタイプ。Pale Ale は,フルーティなアロマとしっかりした苦味が特徴で,どちらかというとアメリカンタイプのエールだと思う。いずれも平均点以上のクオリティだと見たが,僕の持っている文献には出ていないブルワリーなので,ここで発見できて良かった。やっぱり現地に足を運ぶと思いがけない出会いがあるもんだ。


24 日 (木)
パース 2 日目は,フェリーでフリーマントルの街へ行き,ここで 1 日過ごした。まずは,比較的メジャーな地ビール Little Creatures の本拠地へ行き,前にも呑んだシングルバッチの East Kent Goldings Ale を呑む。その後,フリーマントル監獄などを見学し,夕方,もう一つのブルワリーパブ The Monk Brewery を訪問。ここでは,テイスティングトレイでレギュラーの 6 種類のビールをすべて試飲。


左からケルシュ,マイルド,ウィート,ラオホ,ペール,ポーターと言われたんだが,呑んでみると,左から 3 番目と右から 2 番目のビールがどう考えても逆っぽかったので,店員を呼んで指摘。で,やっぱり兄ちゃんの置き間違えであることが判明。色から考えても右から 2 番目はウィートっぽいし,香りを嗅いだ時点で明らかに違いがわかる。だまされちゃいかんのだ。その後,この店の向かいにも良さげなパブがあったので,そこに突入すると,世界中のビールが 40 種類ほど置いてある名物パブだった。その名を Sail and Anchor という。で,ここのフラグシップビールの Sail & Anchor IPA と Brass Monkey Stout をいただく。前者はアプリコットやブーケを思わせる華やかな香りと長く尾を引く強い苦みに特徴がある複雑なペールエール,後者はチョコやバニラの香りとエスプレッソのような苦味が特徴のオートミールスタウト。どちらも上出来。The Monk の後,すぐに帰らずに寄り道をした自分を自分でほめてあげたいと思った。ホントに。ちょっと自分の嗅覚に自信を持ったのだった。


25 日 (金)
さて,パースに来てから毎日呑み歩いているわけだが,この日は究極。パースから車で 30 分ほどの位置にあるスワンバレーというワイナリーで有名な地域へのツアーに参加。ただし,ワイナリーツアーではない。スワンバレーにはワイナリーだけでなくブルワリーもいくつかあるので,そこを廻るという Beer Nuts Brewery Tour というのに参加した。


廻ったブルワリーは Feral,Ironbark,Elmar's in the Valley,Duckstein の 4 箇所。特に Feral は,メルボルンのパブでも White Ale や Hop Hog IPA,それに新作の India Black Ale などを呑んで感銘を受けたブルワリーだったので,ここを訪れたいがためにこのツアーを探し当てたようなもの。ツアーガイドの Martin さんがまた気さくな人で,7 人という少人数でのツアーであることもあり,楽しかった。ツアーで撮った写真を後日メールで送ってくれるというサービス付き。まぁ,呑んでる時の写真は自分じゃあんまり見たくないんだがね。というわけで,3 日間呑み通したパースから夜の便でメルボルンへ帰り,僕のオーストラリア滞在もいよいよカウントダウンに入ったわけである。


26 日 (土) ・ 27 日 (日)
週末の 2 日間は,いずれも午前中から昼にかけて用があったのだが,午後からは F1 のオーストラリア GP を観てきた。バーレーンの動乱で思いがけず今年の開幕戦になったこともあり,世界からも注目されているレース。コースも一周 5km 以上に及ぶアルバートパークの湖畔を回る美しい一般道コース。レーサーの評判も高いらしい。ここ最近のスポーツイベントではどこもそうだが,ここでもフェラーリなど一部のチームがシャシーに「ガンバレ日本」のメッセージを描くなどして日本の復興への祈りを捧げていた。日本人ドライバーを擁するザウバーは言わずもがな,だけれどね。


日曜の決勝レース前には黙とうも行なわれた。僕の買ったチケットは週末の 2 日間共通の General Admission に,サーキット横の Music Zone でのライヴイベント "Sidetracked" も観られるというもの。スタンドでレースを観ることはできないが,この Music Zone が,ホームストレート直前の最後の鋭角コーナーに面しているので,フェンス越しにかぶりつきで観戦することができて,それなりに見応えはあった。帰ってきてから,ザウバー勢が失格になっていたのを知って唖然としたけれど…。ライヴの方は,土曜夜はボク的には鉄板の Birds of Tokyo,日曜夜の大トリは,メルボルン出身としては現役で一番の出世頭であろう The Living End。ロカビリーにも影響を受けたタイトなパンクロックを聞かせるバンドだが,さすがご当地ということで,若い層からオッサンまで全員が大合唱していたのにはちょっと面喰った。


というわけで,遊び倒したこの一週間。僕のオーストラリア在外生活も残り実質あと 3 日。この 3 日間には若干仕事もあるので,そっちもキチンと締めないばね。

2011年3月18日金曜日

近況報告

えー,いろいろありました。

ここ 2,3 日サボってたんで,生きてることの証明に手短に近況報告します。ただ,ちょっとずつ日本と関わりがあるのがおもしろかったりする。

16日(水) 
メルボルンパークの Rod Laver Arena にサンタナのライヴを見に行きました。座席はアリーナ席前から 7 列目でかなり砂かぶりに近い。前のおねーちゃん 4 人組がずーっと立ち上がって踊りまくっているもんで,必然的にずっと立ち見。いやぁ,でも楽しかったね。カルロス・サンタナ,ちょい説教臭かったけどね。フロント・アクトのバンドのヴォーカルが「東京」って書いた T シャツを着て出てきたり,カルロス御大もステージから日本に祈りを捧げ,会場から拍手が起きるなど,日本人的には落涙必然な出来事もありました。満足。

17日(木)
仕事を早めに切り上げ,16:30 から Federation Square で行なわれた Microbrewers Showcase という地ビールのテイスティングイベントに知り合いの Tommi と一緒に出かけました。会場では,Thunder Road Brewing ヘッドブルワーの Harvey とも遭遇。彼は,僕のことを「コジマサン」と呼んだり,ブログのアドレスから「Mr. Wizard」と呼んだりする。いや,そんな大した者ではないんですけど。今回,僕の一番のお気に入りは,これまで出会ったことのないブルワリー Boatrocker Brewery のピルスナー Hoppbier。ジャーマンスタイルのピルスナーだけれども,フルーティなアロマとフレーバーに溢れていて,ひと味もふた味も違う。本当に美味かったです。3 時間近く,美酒に酔いました。その後,Little Lonsdale Street の Horse Bazaar というバーで Fundraiser for Japan というイベントがあるということで覗いてきました。普段あまり日本人コミュニティと関わりがないので,この 1 年で一番日本人密度の多い空間に身を置いた気がした。がんばれニッポン。

18日(金)
今日は,午前中,メルボルンのシティから少し離れた Monash 大学の Clayton キャンパスに行って来ました。目的は,米プリンストン大学の Sergio Verdu 先生の講演を聴くため,講演題目は "Non-Asymptotics in Information Theory"。情報理論では,データサイズが無限長の場合の漸近的性質を考えて通信路容量などを評価するけれども,現実のパケット通信などにおいて,パケットサイズが有限長だった場合に,容量からどの程度のマージンが生じるか,というのを理論的に考察したという話。とはいえ,統計量で議論することに変わりはないわけで,どちらかというと現実的な符号そのものを用いた通信方式を考えることが多い自分としては,興味深い内容。Verdu 自身もヴィクトリア州に来たのは初めてだってことで,遠出したかいがあった感あり。ちょっと PR 不足で聴衆が少なかったのは何とももったいない感じがあったけど。

ちょっと早めに会場に着くと,まだ普通に学部の授業が行われていました。Monash を数年前に退職したという先生も来ていて,授業が終わるまで廊下で雑談していたんだけれども,「Undergraduate の学生は歳を追うごとに幼く見えていく気がする」とボヤくので,「学問的にも精神的にもね」と僕が応じると「そそそ,そうなんだよ,その通り!」だってよ。日本でも豪州でも,教育機関が抱える問題は共通しているらしい。ちなみに,僕が日本人だと知ると,彼も僕に家族や友人は大丈夫か,と聞いてきました。ホント,今,世界の中心は日本です。特に愛は叫ばないけど。

19日(土)
おいおい,まだやがな。まぁ,あぷろきしめっとりーいこーるではあるけど。というわけで,明日は,昼からメルボルン CBD にある Japaneasy で日本とクライストチャーチ支援のためのチャリティーマーケットがあり,僕も裏方として協力する予定です。こういうお祭り的なイベントは昔の血が騒ぐっつう感じがあるね。今回の震災は戦後最大といわれているけれども,東北地域は東京ほどの大空襲は受けなかったわけだから,ある意味,過去 100 年で最大の大惨事と言えるのかもしれませんね。サンタナも,そしてメルボルンに住むオージーたちも日本のことを気にかけている。世界中が日本を応援しています。我々の活動も少しは日本のためになればなぁ,と思っています。

明日のマーケットは 18:00 まで続くんですが,僕は 17:00 頃失礼して,アデレードへ飛びます,飛びます。

多分,明日のこのページはアデレードからお伝えします。

したっけ,ばい。

2011年3月12日土曜日

May the Force Be with You

日本の状況も気になるところではあるのだが,今夜はメルボルンのタウンホールに MSO (Melbourne Symphony Orchestra) のコンサートを聴きに行った。その名も

STAR WARS and Beyond

題名から予想される通り,作曲家 John Williams の映画音楽を演奏するというもの。

いるんじゃないかと思っていたら,やっぱ,いたいた。


ちなみに,会場内でも…


この人達,この恰好で普通に客を座席に誘導したりしてて,かなり可笑しかった…

指揮者は Anthony Inglis で,このオジサンのトークとコスプレが炸裂して,非常にエンターテインメント性の高いコンサートだった。まぁ,普通,指揮者はコスプレしないと思うが…

たとえば,「スーパーマン」では,ワイシャツの下に "S" マークの青 T シャツを隠し着ていたり,スターウォーズのレイアのテーマでは,レイア姫のヅラかぶったり…などなど。帝国軍のマーチのときには,ベーダー卿もご登場。ちょっと,呼吸音が耳ざわりだったけれども。

曲はおなじみのものが多いが,映画のタイトルからどんな曲だかイメージできなくても,曲が流れると「あ,これか!」と思えてしまうから,侮れない。

しかし,日本のことも頭の片隅で気になっているので,「シンドラーのリスト」は鎮魂歌のように聞こえて泣きそうになったし,ラスト,スターウォーズのフィナーレは,被災地の復興へ向けての応援歌のようにも思えた。

遠く祖国を離れていると,家族や友人に言葉をかけたり,海外で報道されている内容を知らせてあげることくらいしかできない。なんとももどかしい気分になる。こんなことしか,言えませんが…

フォースのともにあらんことを…

ホント,気が利かなくてスイマセン。

《演奏曲目》
  1. Olympic Fanfare and Theme
  2. Jaws: The Shark Theme
  3. Lost in Space
  4. Jurassic Park: Theme
  5. Memoirs of a Geisha: Sayuri's Theme
  6. JFK: Theme
  7. Harry Potter and the Philosopher's Stone: Hedwig's Theme
  8. Far and Away: Suite
  9. Catch Me If You Can: Closing In
  10. Superman: March

    - Interval -

  11. Raiders of the Lost Ark: March
  12. Close Encounter of the Third Kind: Excerpts
  13. Schindler's List: Main Theme
  14. The Phantom Menace: Suite
  15. Star Wars: Suite
    Princess Leia's Theme
    Imperial March
    Yoda's Theme
    Throne Room and Finale

    - Encore -

  16. E. T. : Bike Ride and Chase

2011年2月12日土曜日

至高の贅沢

昨夜,Collins St. の Regent Theatre にチック・コリア率いる Return to Forever IV の "Hymn of the Seventh Galaxy Tour 2011" メルボルン公演を見に行ってきた。

いやぁ,何とも贅沢な空間だった。ステージにはチック・コリア (p/key),スタンリー・クラーク (b),レニー・ホワイト (Ds),フランク・ギャンバレ (g),ジャン・リュック・ポンティ (vl) という豪華メンバー。僕の持っているフライヤーではギターはビル・コナーズになっていたが,今回のツアーはオーストラリア出身の名ギタリスト,フランク・ギャンバレが正式に参加している。

前半のステージは全体にロック色の強いサウンド,後半は一部,アコースティックな "unplugged" とでもいうべき演奏を含んだものだった。しかし,チックとスタンリーがこのバンドで組んでから 40 年近く経つわけだが,円熟したプレイヤー達が楽しみながら余裕の演奏を繰り広げる様を間近に見ることができて大満足(座席は前から 6 列目だった)。とにかく,リラックスしている風に見えて,軽~い感じで物凄い演奏をするんだから,ひと味もふた味も違う。スタンリーとレニー・ホワイトのリズム・セクションの掛け合いなんて鳥肌が立つようだった。

スタンリー・クラークが上原ひろみをフィーチャーしてリリースした昨年のアルバムは,日本盤ボーナストラックを聴きたかったので,こっちでは買わず,ネット購入して東京の自宅に配送してある。帰ってから聴くのが楽しみだ。

上原ひろみのブログを見ると,スタンリーは 2/6 まで極寒のセントルイスで彼女と共演していたらしいから,その直後,南半球までやって来たようだ。一方の上原ひろみは,2/10 にブルーノート東京で行なわれたリー・リトナーのステージを見に行っていたらしい(布袋サンのツイートによる)。アルバム "6 String Theory" も素晴らしかったし,このリー・リトナーのステージ,東京にいたら,絶対に見に行っていたと思われるだけに悔しい。リー・リトナー + マイク・スターン + 布袋寅泰のトリプル・ギターにサイモン・フィリップスのドラムス。いやぁ,こんなのなかなか見られるもんじゃない。生で体感したかったなぁ(布袋氏のブログも参照。素敵な写真がたくさん見られる!)。

ブルーノート東京のブログによれば,このステージは BS フジで放映されるのと DVD リリースも予定されるらしい。悔しいけど,それを楽しみにしよう。

世界中にいい音が溢れている。

近いうち,エジプトにもこんな音楽が流れるだろうか。

2011年1月28日金曜日

真夏の夜の夢

今夜はスティングの "Symphonicity" ツアー,メルボルン公演を見に行ってきた。このツアーはスティングがオーケストラをバックにポリス時代の曲からソロ名義の曲までを歌うもので,去年 6 月のバンクーバー公演を皮切りに北米とヨーロッパを回り,年が明けてからは韓国で 1 公演,日本で 5 公演を行なって,今週,オーストラリアに上陸した。これまでにパースとアデレードで既にステージを終えて,3 本目の今日がメルボルン。この後,シドニーとハンターバレー,ブリスベンでも演奏して,ニュージーランドに渡るらしい。

メルボルン公演の会場は,Sidney Myer Music Bowl という,キングス・ドメインにある野外ステージで,メルボルン交響楽団 (MSO: Melbourne Symphony Orchestra) との共演。指揮者はツアー全体を通してスティーブン・マーキュリオが務めている。MSO の演奏も一度は聴きたいと思っていたから,これは一度で二度おいしい。


この野外ステージは前の方に通常のホールのような指定席があるんだが,僕のチケットは芝生の自由席。芝生席はレジャーシートや折りたたみ椅子の持ち込みが可ということで,僕もピクニック用のブランケットを広げて,あぐらをかいたり,横になったりして演奏を聴くことができた。これもなかなか良い。ちなみに,デジカメや,アルコール以外の水やソフトドリンク(未開封),「リーズナブルな量の」食料なども持ち込み可ってことで,やっぱり,コンサートっていうより,趣きはピクニックに近かったが…

18:00 開場ということで 30 分くらい前に会場まで行くと,既に 1km 近い人の列ができていて,入場するまでに 30 分くらいかかった。いやぁ,まいった。


さて,肝心の演奏の方だが,本当に素晴らしかった。当然,かつての名曲の数々をオーケストラ用にアレンジし直しているわけだ。例えば,"Every Little Thing She Does Is Magic" や "Next to You","She's Too Good for Me" のようなストリングスがテンポよく弾んでリズムを刻むような曲も悪くないんだが,やっぱり,オーケストラならではという演奏が聴きたいわけで,その白眉は前半に演奏した "Russians"。これは,オーケストラで聞くべき曲,そしてそれにふさわしいアレンジだった。後半では,"Moon over Bourbon Street" だとか "Mad about You" から "King of Pain" へと続くあたりがなかなか良かった。

アンコールでは,「クイーンズランドとヴィクトリアで洪水の被害にあった人々に捧げる」として,"Fragile" を演奏し,最後は客席も交えた "Message in a Bottle" の大合唱で,休憩をはさんで 3 時間にわたるステージを終えた。

空が暗くなった後半は星を見上げながら演奏を聴くことができて,これもなかなか乙だった。「真夏の北の空に輝く」オリオン座を眺めながらのステージ,いや,大満足。

東京公演は武道館だったみたいだけど,今回は野外だったし,天気も良かったので,ひと味違う体験ができて,ホンットにラッキー。 いい夢が見られそうだ。


《セットリスト》
  1. If I Ever Lose My Faith in You
  2. Every Little Thing She Does Is Magic
  3. Englishman in New York
  4. Roxanne
  5. Straight to My Heart
  6. When We Dance
  7. Russians
  8. I Hung My Head
  9. Shape of My Heart
  10. Why Should I Cry for You?
  11. Whenever I Say Your Name
  12. Fields of Gold
  13. Next to You

    ~ Intermission ~

  14. A Thousand Years
  15. This Cowboy Song
  16. Tomorrow We'll See
  17. Moon over Bourbon Street
  18. The End of the Game
  19. You Will Be My Ain True Love
  20. All Would Envy
  21. Mad about You
  22. King of Pain
  23. Every Breath You Take

    ~ Encore #1 ~
  24. Desert Rose

    ~ Encore #2 ~
  25. She's Too Good for Me
  26. Fragile

    ~ Encore #3 ~
  27. Message in a Bottle

2010年12月12日日曜日

Some Like It Hot

歌は世につれるが,世は歌につれない

とは山下達郎の名言だったが…

今日は,メルボルンのアート・センターで開催されている "Rock Chicks" という展示を見に行ってきた。


これは 20 世紀初頭から現在までのオーストラリアのポピュラー音楽の歴史を女性アーティストという側面から辿ったエキシビション。ぶっちゃけ,展示されている女性アーティスト達の名前はほとんど知らない。よく知ってたのはオリビア・ニュートン・ジョンとカイリー・ミノーグぐらいだ(我ながらヒドイ話だとは思うが,普通,こんなもんだろ)。

ただ,オーストラリアのミュージック・シーンというのは世界の中ではマージナルな存在とは言え,ロンドン辺りの影響をモロに受けていると思われるので,各時代の潮流をいち早くキャッチしてきたんだと思う。女性じゃなければ, AC/DC 辺りは別格としても, Inxs とか Crowded House,それに Men at Work なんかも世界的に売れたし,話題的には Midnight Oil なんてバンドも知られているだろう。女性アーティストはなかなかビッグネームを挙げられないけれど,個人的に最近好んで聴いている中では,マイケルの "THIS IS IT" でブロンドのギタリストとして注目された Orianthi とか,ジェフ・ベックのバンドでベースを弾いている Tal Wilkenfeld なんかがオーストラリア出身だ。

このエキシビジョンで展示されているのは,過去 100 年にわたる女性ミュージシャンたちの写真や衣装,ギターなどの楽器,レコードジャケット,ライブの自筆セットリストなど幅広く,それなりに見応えがある。しかし,やっぱり何と言っても時代時代の音が聴きたいわけだが,ビデオスポットが数か所に設置されていて,すべて合わせると 2 時間を優に超える映像アーカイブを閲覧できる。昔のポップスも悪くないけれど,やっぱり面白かったのは 70 年代のパンクムーブメントから現代に至るまでのロック。Divinyls など,パンクとか 80 年代のニュー・ウェイブの影響を受けたバンドや,90 年代グランジ以降の流れを汲む辺り(Spiderbait とか)なんかが,なかなか良かった(Spiderbait の "F○cken Awesome" のビデオクリップは "FXXX" の "XXX" の部分の音が飛ばされてるのが,仕方ないとは言え,イタかったが…)。

というわけで,映像をメインに 3 時間近く堪能してきた。確かに「世は歌につれない」かもしれないけれど,その時代の息吹や,彼女たちが時代ごとに何を伝えようとしていたのか,そのヒントは展示全体を通して浮き彫りのように見えてくるような気がする。いや,ロックが好きならこれは必見。


アートセンターにて,2 月 27 日まで。入場無料。

2010年12月6日月曜日

湿り気と匂い

久々に日本映画らしい映画を観た。

昨日見た「劔岳」や「鳥刺し」も日本映画らしいと言えば日本映画らしいのだが,ここでの日本映画はもっと狭義の「日本映画」。

ある時期(たぶん,70 年代から 80 年代初めにかけて)の日本映画には,独特の匂いがあったように思う。湿ったアスファルトや土の匂いだったり,木造アパートのカビ臭い匂いだったり,煙草や安物の化粧品の匂いだったり,生き物としての人間が放つ有機的な匂いだったり…

今日は日本映画祭で根岸吉太郎監督の「ヴィヨンの妻」を観た。太宰治の同名小説を柱に,他の太宰作品のエッセンスを加えて 1 本の映画に仕上げている。主演は松たか子と浅野忠信。厭世的で,死にたいのに死に切れないダメ人間の夫と,楽天的で明るく芯の強い妻。こういうラブストーリーもあるのか,と思わせる。ラストで象徴されるように,二人はあまり互いのことを見ない。対面せざるを得ない留置所のシーン,ここで妻は唯一,悲しみの感情を高ぶらせる。ここを境に,ラストに向かって物語を進める根岸演出も確かで隙がない。よくできた映画だ。

でも,僕が一番唸ったのは,スクリーンに映った演技や映像ではなく,物理的にはスクリーンから伝わるはずのない「匂い」だ。「かおり」じゃなく「におい」。主人公の大谷は「死にたい」と連発し,実際心中未遂もするのだが,スクリーンからは死の匂いではなく,むしろ生の匂いがプンプンしてくる。これはかつての日本映画が持っていた独特な匂いだと思う。冒頭に述べたような湿っぽい雨の匂い,安酒場の煮込みの匂い,そして人間自身が放つ「生」の匂い,これはそこはかと漂うエロスの匂いでもある(見せないエロチシズムも,ある意味,日本映画の宝だと思う)。そう,この映画から感じる匂いは,「生の匂い」と言っても,ヴィヴィッドで明るい朗らかさを感じさせるような匂いではない。それは死と背中合わせになった生の匂いだ。何というか,相転移における臨界点に位置するような…そうか,その意味では「生の匂い」であり,かつ「死の匂い」であるわけだ。「死を見据えた生の匂い」とでもいうべきか。その意味で,この作品からこの匂いを感じるのは必然なのかもしれない。

物語では時折「死の予感」を漂わせながら,ラストはすがすがしいような「生」を感じさせる。表層的な死生観と対照的な「生の匂い」。その振幅の大きさ,ダイナミズムがこの映画の魅力と言えるんじゃないだろうか。

人は誰しもが生きていながら,それは同時に死への道行きでもあるわけだ。「死ぬことは生きることだ」とは誰の言葉だったか?そういえば,太宰好きで知られる宮本浩次も「敗北と死に至る道が生活ならば~」と唄っていたっけ。

そうそう,帝都東京の中心から少し離れた生活圏へと走る中央線が,またこの独特な匂いを増幅しているようにも思えた。

うーん,こっちに住んでて日本料理を食べたくなることはあまりなかったんだけど…踏切沿いの酒場の煮込みが少し恋しくなったなぁ…あと 4 ヶ月は辛抱しないとなぁ…


追記: …と,一通り書き上げて,自分で読み直してみたら,RC サクセションの「いい事ばかりはありゃしない」が聴きたくなった。というわけで,ちょい聴いて,そいで今日は寝ます。

2010年10月1日金曜日

Birds of Tokyo

今夜は,Birds of Tokyo のライヴを見に,メルボルンの Festival Hall へ行ってきた。Birds of Tokyo というのはオーストラリアのパース出身のバンドで,今年 3 枚目のオリジナルアルバムをリリース。このアルバムを買ってすごく気に入ったので,前 2 作もさかのぼって聞いてみた。カテゴリーとしてはオルタナってことになっているが,結構美しいメロディラインを高音のヴォーカルが歌い上げる感じで,マイナーコードの曲に佳曲が多いのも僕の琴線に触れたのかもしれない。2 作目までは結構ラウドな曲も多いんだが,最新作は初のメジャーリリースということもあり,よりポピュラリティを獲得するであろう出来になっていると思う。古いファンにはそのことについて賛否もあるのかもしれないけれど,なんだかんだ言ってもこの最新作(タイトルはモロに "Birds of Tokyo")は,これまでのところ彼らの最高傑作だと僕は思う。捨て曲ないもん。


今回のライヴツアーは,Silversun Pickups と一緒に回っているってことで,まず,19:00 から The Chemist とかいうオーストラリアのインディバンドがオープニングアクト,その後 20:00 から Silversun Pickups が 1 時間弱やって,21:00 過ぎに本命の Birds of Tokyo の登場となった。

ちょっと待て,Silversun Pickups ってのはちょっと聞いたことがあると思って調べてみたら,日本じゃ国内盤も出てるバンドじゃん。一方の BoT は日本じゃほぼ無名。日本人的にはこの順序は逆なんじゃ…と思うが,ここはオーストラリアだしぃ。まぁ,いいでしょ。ちなみに,最初の The Chemist はヴォーカルが今イチで全然ノレなかったが,Silversun Pickups は初めて聞いたけどいいね。昔の Smashing Pumpkins を思わせる感じ。ベーシストが女性なのも似てる。

で,今回の主役,Birds of Tokyo ですが,いやぁ,良かったね。アグレッシヴな曲はもちろんだけど,CD で聞いてメロディアスでおとなしめだと思った曲でも,ライヴだと違うな。やっぱりメジャーレーベルでのレコーディングってのはそれなりに足枷になるのか?? ライヴはそんなしがらみがないから,演奏もパワフルだった。新旧とりまぜて 20 曲弱,約 1 時間半のステージ。MC はほとんどなく,実直に演奏し続ける感じのステージもまた良し。こういうライヴは久々だったから楽しかったね。ただ,席が悪かったのか,周りのオージーのノリは控えめだったけどね :-P

しかし,このバンド,日本にも紹介されてしかるべきだと思うんだが…我が国のバイヤーの皆さん,いかがでしょうか??

追伸:関係ないけど,東京都の鳥は「ユリカモメ」ですよ。

2010年9月29日水曜日

没個性の脅威

書いているご本人は予想外の反響に戸惑われているようだが,HMV 渋谷店が閉店したことに関するブログエントリ(HMV渋谷閉店にまつわる僕の見解)が twitter などを介して盛り上がりを見せている。 これを書かれた加藤さんの意図とは少しずれることを承知で,最近思っていたことを少し書かせてもらう。

メルボルンに来てからずっと思っていることだが,本や CD を手に入れようと思うと,思いのほか苦労する。まず,大きな本屋が少ない。それから大きな CD ショップも少ない。僕はどちらかというと,ウィンドウショッピング派ではなく,あらかじめ心に決めたものを一直線に買いに行く派なので,店に行って欲しいものが見当たらないと,それなりにフラストレーションを感じる。大体,僕の欲しいものは,メジャー路線を微妙に外したところのものが多いので,よくこういう状況に出くわす。だから,日本でもここでも,ネットショッピングをすることが多くなる。

だけど…だけどだ。僕の持っている本や CD の中には,店をぶらぶらと歩いていて,偶然目に入ったものを衝動買いして,それが今でも自分にとって大切になっているものが少なくない。だから,本屋や CD ショップがなくなることには一定の危機感を覚えている。

本屋で店頭に平積みになっている本,CD ショップで店員による手書きのポップが張られたディスク…確かにこういうところにショップの個性が出るものだし,我々情報を享受する側としては,メディアに晒されていない隠れた名品に出会う楽しさがある。

今住んでいるこの街で,CD ショップや本屋をぶらぶら歩いていても,そういう感動にはまず出会えない。どこの店に入っても,棚に置かれてある商品はほぼすべて同じ。これならネットで十分だ。というか,ネットの方がまだマシだ。

自分の領域に引き込むようでアレだが,これは本や CD に限ったことじゃない。たとえば,僕が昔住んでいた街に小さな酒屋があって,そこの主人は自分の趣味で地方の地ビールや地酒を取り寄せて細々と売るコーナーを設けていた。「こんど,これ,入れてみてよ」なんてお願いしてみると,翌週には入荷していたり,なんてこともあった。こんなこと,街の量販店ではあり得ない。

それから映画。僕は学生時代を札幌で過ごしたが,15 ~ 20年前の札幌の映画文化は地方都市としてはかなり恵まれていて,当時,単館系などと呼ばれたりした独立系の作品やアート映画なども,東京より少し遅れはするものの見ることができた(もちろん,すべてではないが…)。○○監督の△△って映画があるらしい…なんて話を聞くと,「あぁ,それなら,狸小路 X 丁目の☆☆あたりで上映するだろうなぁ」なんてことを思ったものだ。

HMV 渋谷店に限らず,多かれ少なかれ,本にしろ,音楽にしろ,そして酒にだって,以前はもっと個性的で,店主や店員の顔が見えるショップが多かったような気がする。映画館の場合は状況はもう少し複雑だろうが,フィルムのセレクションに館主の意向が大きく反映されることも少なくなかった。これらを失うことは,我々にとって見かけよりももっと大きなものを失うように感じられてならない。

加藤氏は書いている。「結局は,人なんだよ」。そう,結局は人なんだ。だけど,人から個性や情熱を奪うような要素が確かに存在して,それらが複雑に絡み合って現在のような状況を作り上げている,ということも言えると思う。そういった要素,状況に,情熱がどこまで抗うことができるか,これは文化や情報を発信する側だけの問題じゃなく,受け取る方の立場としても,肝に銘じておかなければならない命題だと思う。

取り返しのつかないことになる前に…

2010年9月8日水曜日

お披露目

今日は,University College にグランドピアノが寄付され,その公式なお披露目会があるというので,覗いてきました。


ピアノはヤマハのグランドピアノでした。写真の奥の方にあるパネルにドナーなどの名前が刻まれています。実は,このピアノ自体は先週行なわれたコンサートで一度使われているので,僕も音を聞いています。今日は先週演奏されたヴィラ・ロボスの曲などを学生が演奏し,ゲストに聞かせていました。

しかし,何度も書くけれど,ここに住んでいると,こういう social event が頻繁に開催されて,他では得られない経験ができます。もし,ここではなく,アパートみたいなところで一人暮らしをしていたら,そうそうこういう席には顔を出せない。退屈しないだけでなく,ここに住んでいる学生やスタッフ,その他のゲストとも話ができるので本当に貴重な経験です。

2010年9月1日水曜日

コンサート

今日は,University College でコンサートがありました。音楽を専攻している学生などによるピアノ,フルート,チェロの演奏に,ダンスも,と結構盛りだくさんで,楽しい時間を過ごしました。


曲目は,ブラジルの作曲家ヴィラ=ロボスのものや,僕も割と好きなラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ,サン=サーンスの白鳥など(踊りは black swan のイメージだったけど)。それに,メルボルン在住の作曲家,Anthony Lyons の Varo Sketches という組曲。これが面白かった。クラシカルな演奏に,サンプリングした水の音や風の音,スクラッチノイズなんかをかぶせる。プログラムに "Electronics" と書いてあったので,何かと思っていたけど,こういうことだったのか。

こういう仕掛けはねぇ,ボク好みですねぇ。

次回のコンサートは 10 月 27 日ということで,僕はちょうど,ニュージーランドに旅立った直後で,聴くことができない。残念。

2010年8月28日土曜日

日本の技術力

新聞に折り込まれていたエンターテインメントガイドに,上原ひろみのアルバム "Place To Be" のレヴューが出ていた。日本では昨年発売されて,僕も一時期こればっか聴いていたが,オーストラリアでは最近リリースされたらしい。

批評では,彼女の技術力を brilliant,exhilarating と讃える一方で,もっとエモーショナルな音楽を求める人には不向きというような記述も…。これだと何だか超絶技巧に走り過ぎていて,音楽としての楽しさが味わえないような誤解を生みかねないなぁ,と思って読んでいた。

記事の中にあったようにオープニングの "BQE" や "パッヘルベルのカノン" は確かに彼女の技術を十分に堪能できるし,"カノン" に至っては,トリッキーなサウンドも味わえる。でも,十分に感情豊かな曲もあるし,"BQE" の中にだって,技巧的なパートと感情豊かなパートの両方,かつその双方が味わえるパートも含まれているようにも思うんだけどな。

記事を読んだ後で,もう一度じっくりアルバムを聴いてみたが,やっぱ,これいいよ。僕は好きだな。まぁ,新聞のレヴューも,彼女の技術力を十分に認めた上で,さらに高いものを要求したようなところがあるからね。

世界に誇る日本の技術力は産業界だけの話じゃないのだ。

2010年8月6日金曜日

硬派

昼を食べた後,何気なく新聞を眺めていたら,Concrete Blonde のライヴが 10/22 にあるって広告を発見。うーーー,この日はベルギーに行っててビール飲んでる予定だからメルボルンにはいない。

コンクリート・ブロンドっていうのは,ジョーネット・ナポリターノ(濃い名前だ)というヴォーカル兼ベーシストの女性が率いる LA のバンド。僕が初めて聞いたのは,修士の学生の頃(多分 1992 年),NHK-FM でやってた渋谷陽一のミュージック・スクエアで聞いたのが最初。次の日には CD "Walking in London" を買いに行った。"Ghost of a Texas Ladies Man" とか,JB をカバーした "It's a Man's Man's Man's World" なんて,今でも僕の iPod に入っている。ダークでゴシックな世界観が魅力だったね。まぁ,メインストリームになるような音楽性じゃないけどね。

いやぁ,残念だ。観たかったなぁ。未だに活動してたのが信じられないけどね。公式サイトも発見。どうやら活動休止の後,再開したっぽいな。

そういえば,当時,研究室の先輩オーヤマさんに
「えらい硬そうな名前やな~」
とか言われたことを今思い出した。…確かにね。