2010年4月27日火曜日

ビザ

オーストラリアでの在外生活が始まったけれど,最初の3週間余りを浪費してしまった。ビザの発給が遅れたことが原因だけど,まぁ,自分ではどうしようもなかったので,いたしかたあるまい。今回取得したビザは Visiting Academic Visa (Subclass 419) というもの。記録のために申請の流れと提出した書類の一覧をまとめておこうと思います。ひょっとして,偶然このページを見た人の役に立つかもしれないし。

Visiting Academic の審査は 3 段階で行なわれます。

1) スポンサー申請
2) ノミネーション申請
3) 本人のビザ申請

1) と 2) は受入先機関が現地の移民局にすべき申請で,僕の場合,メルボルン大学はすでにスポンサーとしての審査を更新済みであったので,1) は免除。(ちなみに,2009年10月20日に大学のスポンサー審査が受理されていました。)

実は今回手間取ったのが 2) の手続きで,いろいろな原因が考えられるんですが,とりあえず,まずはこの審査のために,自分が大学側に提出した書類を列挙します。

2a) ノミネーション申請書(Form 1378) を大学が作成するうえで必要な個人情報。
たとえば,生年月日,誕生地,住所,電話番号,パスポート番号などなど。
2b) 履歴書(英文)
2c) 業績リスト(英文)
2d) 在職証明書(英文)
2e) 学位取得証明書(英文)
2f) パスポートの認証コピー

2b) 2c) は自分で作れるのでそれをメールで送りましたが,2d) は人事に頼んで作ってもらい,2e) は出身大学(僕の場合は北大)に請求しました。郵送で請求したら,一週間以内にできあがってきました。2f) は国際司法書士事務所で作るって手もあるけれど,僕の場合は,東京のオーストラリア大使館の領事部で作ってもらいました。手数料は2400円で,司法書士に頼むよりもかなり割安。本当は予約が必要みたいだが,予約なしでもすぐ作ってもらえました。

本当は,3) の申請前に 1) 2) が終わっていなければならないんだが,僕の場合,2) と 3) をほぼ同時に動き始めて,実際,自分が大使館に 3) の申請を出した後で,大学が 2) を移民局に申請したので,それが遅れた原因なのかもしれない。でも,そんなことってあるかな?僕が 3) を申請したのが 2月半ば,だけど,受入先で 2) の書類を全部作って移民局に提出したのが 3月初め,移民局から申請を受け付けた(認可ではない)という連絡が来たのが 3 月半ばでした。2) の審査にかかる期間を問い合わせたところ,移民局がどの程度の案件を抱えているかにより,3~6週間かかるとのこと。大使館のホームページによれば,419ビザの審査期間は約 1ヶ月と書かれているが,これは 3) の審査にかかる期間で,2) の審査期間は含まれていない。したがって,申請から 1ヶ月+3~6週間がかかるということになるが,僕がその事実を知ったのは,2) と 3) が動き始めた後だったからしょうがないよなぁ。実際,大学からの正式な invitation letter も1月末まで届かなかったし,どうしようもなかったと言えば,なかったわけだけれど。

さて,話を戻しましょう。1) 2) が終わったら,今度は 3) です。これについては,ビザの申請書(Form 147)と一緒に以下の書類を提出しました。

3a) パスポートのコピー(これは認証コピーでなくてもよかった)
3b) 戸籍謄本の原本
(和文でよいが,誕生から婚姻・出産など全部掲載されているものが必要)
3c) 健康保険証のコピー
3d) 滞在のための財源証明書
3e) 滞在中の活動内容がわかる受入先からの招待状
3f) ノミネーション許可書(上の 2) が認可された証明書)

3a) と 3b) はすぐに提出できました。3c) は日本で加入している健康保険ではなく,以下の条件を満たすものに加入しなければならず,それの証明書ということでした。

- オーストラリアでの病院費用が 100% カバーされるもの
- オーストラリアの病院外での治療費・医療費等が
少なくとも 85% から 100% カバーされるもの
- オーストラリアで活動(就労・研究など)を行う際の活動に見合うもの

このうち,特に2番目と3番目の項目は日本の保険会社だとカバーされないか,不十分なので,やはり現地の保険会社と契約する必要があります。移民局のウェブサイトには,民間の保険会社リストがあって,いろいろ比較検討することができるのですが,あまり時間もなかったし,とりあえず契約することが重要だったので,Medibank Private という会社の Working Visa Health Insurance Cover というのに入りました。ちょっと高い(月々220ドル)けど致し方なし。ちなみに,契約はウェブサイト上で電子的に済ませることができ,証明書は最後に PDF ファイルで交付されるので,それを大使館にメールで転送すれば提出は OK でした。

次に 3d) ですが,これは,銀行の残高証明を英文でとったものと,在外研究員の選定通知書(和文),在外研究員としての出張費用がわかる旅費計算書(和文),それに,在外で派遣中も通常通り給与が支払われるという証明書(和文)を人事で作ってもらい,それを提出しました。3e) は,誰とどういう研究をするために invite されたのか,また,滞在中,受入先から給与などを受け取らないということが明記された招待状が必要ということで,受入先に書いてもらうよう頼んで作ってもらいました。

最後に一番時間のかかった 3f) ですが,4/21 の午後 3 時ころ,メルボルン大学の人事担当者からノミネーション許可書がメールで送られてきて,それをすぐに東京の大使館に転送しました。そうしたら,約1時間後にビザが発給されました。最後は電光石火だったね。ちなみに,以前はオーストラリアのビザはパスポートにビザシールを貼る形式だったけれど,Visiting Academic も今は電子ビザになって,シールは廃止されたらしいです。その代わりビザ番号が非常に重要になるというわけ。

というわけで,非常に大変だった今回のビザ申請。いろいろ遅れた原因は,メルボルン大学側の担当者が途中で変わったり,間違った情報が僕のところに入ってきたり,4月に入ってからはイースター休暇が入ったりと,不可避な状況が重なったことにも起因するのですが,まぁ,とにかく認可が下りて,今なんとかここメルボルンに来ているわけです。

ま,いい経験ではあったね。日本人の場合,在外なんて一生に一度だろうから,この経験が今後に生きることはそうそうないとは思うけどね。このブログを読むことはよもやないとは思うけれど,オーストラリア大使館の小林さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

この後は,出発からメルボルン到着までのドキュメントをつづろうと思います。

4 件のコメント:

  1. はじめまして。私も4月からオーストラリアの大学に在外研究で派遣される高専教員です。偶然、このページを見つけ、とても助かっております。ありがとうございます。現在、第2段階のノミネーション許可が終了し、最終段階のVISA申請を行います。4/1出発を目指しますが、間に合うか不安です。webによると、1~2か月かかるとあるので…。どうも書類がそろえばすぐに発給(即日だったという)話もありました。私も在外中にブログを書く予定です。またお知らせいたしますのでもしよろしければ見ていただければ幸いです。

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  2. ノミネーション許可が下りれば,恐らくすぐに出ますよ。僕の場合は,そこまでが長かったので。オーストラリアはどちらですか?ブログ楽しみにしています。有意義な滞在になるといいですね。

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  3. ありがとうございます!安心しました。あとは残高証明と無犯罪証明と、保険加入です。無犯罪証明はkojit様のブログでは必要なかったように見受けられますが、実際どうなんでしょうかね。保険もkojit様のブログにある、http://www.medibank.com.au/Visitors-Cover/About-Visitors-Cover/Top-85-Working-Visa-Health-Insurance.aspx というのに加入する予定です。

    オーストラリアはシドニーの北1時間のアーミデールという小さな学園都市です。http://ameblo.jp/hmatsuau/ こちらでブログを書かせていただいております。もしよろしければよろしくお願いいたします。

    今後ともよろしくお願いいたします。

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  4. こちらこそ,よろしく。僕は国際交流で3月後半に2週間ほど学生23人を連れてギプスランドに行きます。ちょうど松澤さんと入れ違いで日本に帰国する感じです。ブログでのオーストラリア便り,楽しみにしています。

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