オーストラリア国内における人種差別に関する調査結果。オーストラリアは,言うまでもなく,白豪主義という暗い歴史を抱えているわけだが,現代においても様々な差別が存在するようだ。その対象は,アボリジニだけではなく,ムスリム,アジア,ユダヤなどにも及ぶ。
調査結果によると,ムスリムに対する差別意識があると回答したのが何と 48.6 %!これは驚くべき数字だ。先住民に対する数値 27.9 % をはるかに凌ぎ,ほぼ 2 人に 1 人がイスラム教徒に対する差別意識を持っていることになる。まぁ,昨今の政治的な要因も無視はできないんだろうけれども。
でも,差別することはないだろ。
我々アジア人も他人事ではない。アジア人に対する差別意識は 23.8 % でユダヤ人の 23.3 % とほぼ同じ。アジア人に対する差別意識が顕著なのはゴールドコーストやケアンズがあるクイーンズランド州が最も多く 27.9 %。次いで,シドニーのあるニューサウスウェールズ州が 27.2 % だ。ケアンズやシドニーはメルボルンに比べても日本人居住者や観光客が多く,ケアンズに至っては,1 ブロック歩けば日本人に出会うような有様。ひょっとすると外様が我が物顔で歩く様子が現地人の嫌悪感を誘発しているんだろうか??
一方,メルボルンのあるヴィクトリア州はこの 2 州より少し少なく 19.7 %。それでも,およそ 5 人に一人はアジア人に対する偏見を持っていることになる。なるほど,そうなのかぁ。
と,数値を見ると,
何じゃ!この国は!?けったくそ悪い!
という気もしないではないのだが,冷静に考えてみると,日本で同じような調査を行なっても似たような結果が出るんじゃなかろうか。イスラム教徒や,同じ東アジアの国である中国人や朝鮮人などに対してだ。
今,政府は大学や高専などの高等教育機関に留学生の受入増を推奨している。その多くが東アジアや東南アジアから入ってくることだろう。将来的には東京なんて,現在の状況に輪をかけて,多国籍文化溢れるメトロポリタンへと変貌していくに違いない。それに,日本にだって先住民族は存在するわけだ。さて,我々日本人の意識はどんなものなんだろう。
そう考えると,まったくもって他人の庭の話ではないという気がする。
オーストラリアで暮らしていても,この数字ほど,日本人に対する差別意識を感じることは多くない。大体,みんなフレンドリーでいいやつらだ。でも,表面に現れるところではなく,本音でどう感じているか,ということ。それと,非常に強い差別意識や思想を持つ層が確かに存在している,ということは否定できないだろう。
まぁ,オーストラリアの場合,そもそもは白人が外様だったわけで,問題はさらに深いわけだが…でも,これはそのまま北海道にも当てはまる…やはり他人事ではない。
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