2010年12月28日火曜日

The King's Speech

昨日の昼間,Cinema Nova で映画を見てきた。トロント映画祭で観客賞を受賞した "The King's Speech"。実話の映画化で,主人公は現在のイギリス女王・エリザベス 2 世の父親に当たる国王ジョージ 6 世(当時ヨーク公)。ひどい吃音に悩まされていた彼と言語聴覚士であるライオネル・ローグとの交流を軸に,国王が吃音を克服して,歴史的な演説をするところまでを描く。出演はヨーク公にコリン・ファース,その妻エリザベス妃にヘレナ・ボナム=カーター,ライオネル・ローグにはオーストラリア出身のジェフリー・ラッシュ。ローグ自身もオーストラリア出身であったため,粋なキャスティング。

役者の好演もさることながら,セリフがウィットに富んでいて,実話の映画化としてはすごくスタイリッシュで楽しい映画に仕上がっている。クライマックスへの導き方も含めて,脚本の勝利といえるだろう。

メルボルンでは先週から封切られたばかりだし,オーストラリアにも縁のある物語であることもあり,かなりの大入り。こちらでは珍しく,上映前に並ばされた。

ところで,僕のとなりに座っていた老婦人と上映前少し話をした。以下,おばあさんが A,僕が B

      A: 学生さん?
      B: いえ,働いてます。
      A: あら,ごめんなさいね。若く見えたから。
      B: そんなに若くないですよ。
            大学で働いてるんで,学生と過ごす時間が多いから…
      A: あぁ,それで若く見えるのねぇ。
            Nova にはよくいらっしゃるの?
      B: そうですね,よく来ます。
      A: お近くにお住まいなのよね。私はトラムを乗り継いで見に来たの。
            実は,この映画の出来事があった時,
            ちょうどイングランドからオーストラリアに移住する頃だったのよ。
      B: へぇ~,そうですか。じゃ,覚えてらっしゃる?
      A: いや,私は 4 歳だったからあまり…
            でも,母からいろいろと聞かされたのよ…

というわけで,歴史の生き証人みたいな人から,上映前にちょっとした歴史のレクチャー(?)を受けたおかげで物語にもスッと入っていけたし,観た後も気持ちの良い感動を味わうことができた。

映画の中のエリザベス2世はローティーンだったと思うから,多分,このおばあさんは 70 代の後半くらいだろう。このくらいの年齢の人はあまり早口でしゃべらないし,彼女の折り目正しい Queen's English が心地よく聞き取りやすかったなぁ。

映画自体も良かったし,なんか得した気分。

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