"A Somewhat Gentle Man" @Kino Cinemas
好きだ…
告白しちゃった…いや,でも,ホントに好きだ,これ。
"A Somewhat Gentle Man" とは主人公ウルリックのことだ。12 年ぶりに刑務所から出てきた彼は,自動車工としてまっとうに生きようと思うが,かつての仲間に復讐をそそのかされる…
プロットは,コーエン兄弟の作品を彷彿とさせるが,画面のタッチは彼らほどアーティスティックじゃない。ただ,北欧の寒い雰囲気がカウリスマキの作品を思わせるし,スウィートスポットをわざと少し外したような,オフビートな笑いもカウリスマキや初期のジム・ジャームッシュを思わせる。そりゃ,僕が好きなはずだ。
客観的に見ると可笑しいけど,でも,冷静に考えると,僕らみんなこんな感じよね,っていう,そういう笑いがエラいおかしい。彼に部屋を貸してくれるおばちゃんも最高。彼女も含めて,なんでこのおっさんがそんなにいいんだか知らないが,異様にモテまくる。でも,物語が進むにつれて,見ている僕らもこのおっさんが何だか愛おしくなってくる。
ラスト,彼が事を成し遂げると,街に春が訪れる。このときの彼の笑顔がまた素晴らしい。
ラテンジャズを思わせる音楽も,ミスマッチのようでいて,すごくいい。
いや,たまらん。
A Somewhat Gentle Man
(2010 年 / ノルウェー / 107 分)
監督:Hans Petter Moland
出演:Stellan Skarsgård / Bjørn Floberg / Jorunn Kjellsby
第60回ベルリン国際映画祭 "Berliner Morgenpost" 紙読者賞
★★★★★★★★★☆
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