僕はどちらかというと監督で映画を選ぶ方なんだが,マイク・リーは比較的苦手なタイプ。「秘密と嘘」なんかも確かに良かったし,今日の Another Year も悪くないんだけれど,こういう何にも起こらない感じの話って,どうも苦手だ。いい映画であることは認めるし,見ながら笑ったり唸ったりするよ。でも,自分にとっての愛すべき作品,愛すべき監督と言えるかっていうと,ちょっと…って感じなんだよなぁ。
じゃ,どんなのが自分にとっての愛すべき作品かって話なんだが,これ,良く聞かれるんだけれど,なかなか答えるのが難しい。一応自分にとってのベストワンは決めた答えを用意してあるんだが,例えば 5 本とか 10 本挙げろと言われると,その時によって答がブレると思う。
ということで,ブレることを承知で日本映画と外国映画のマイ・ライフタイム・ベスト10を選んでみた。あえて一監督一作品にしてみた。順序も付けられないので,おおよそ発表年順にしてある。赤いものが,上に書いた「いつも答として決めているベストワン」で,カッコ内は監督名。
《日本映画》
- 女の園(木下恵介)
- 七人の侍(黒澤明)
- 幕末太陽傳(川島雄三)
- 黒い十人の女(市川崑)
- ニッポン無責任時代(古澤憲吾)
- 竜馬暗殺(黒木和雄)
- 愛のコリーダ(大島渚)
- 太陽を盗んだ男(長谷川和彦)
- 二十世紀少年読本(林海象)
- キッズ・リターン(北野武)
《外国映画》
- サイコ(アルフレッド・ヒッチコック)
- 穴(ジャック・ベッケル)
- ガープの世界(ジョージ・ロイ・ヒル)
- ダウン・バイ・ロー(ジム・ジャームッシュ)
- レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(アキ・カウリスマキ)
- シザーハンズ(ティム・バートン)
- ヨーロッパ(ラース・フォン・トリアー)
- パルプ・フィクション(クエンティン・タランティーノ)
- アンダーグラウンド(エミール・クストリッツァ)
- ファーゴ(ジョエル・コーエン)
…というような感じなんだけれども,やっぱり絞るのは難しいな。日本映画では,泣く泣く小津,深作,岡本喜八,周防正行なんかを外したし,傑作とは言えないけれど,個人的に好きな吉田喜重版「嵐が丘」なんてのも除外した。
洋画の方はもっとシビアで,なんとチャップリンを外しているし,キューブリックやイーストウッド,アルトマン,ウディ・アレン,アンジェイ・ワイダなんかも入れたかった。作品ではペキンパーの「ワイルドバンチ」,それに「カッコーの巣の上で」,「ブルース・ブラザース」,「スモーク」なんかも迷ったところだったりする。
それに上のリストを見ると,この監督で何でこの作品なの? とか何でこんなんが入ってんの?? という作品があるだろう。特に日本映画。ただ,客観的批評に基づくわけじゃなく,あくまでも僕の主観,ボクとこれらの作品がどういう出会い方をしたのかってことで,自分にとってある種の事件性を持っていたものにプライオリティを与えたつもり。というわけで,かなりの異論は覚悟の上だったりする。
観たことない作品があれば,ぜひ観てみて欲しい。僕の気持ちがわかってもらえるかも。
追記:
「事件性」があるって意味で言うと,洋画では「ヘザース ベロニカの熱い日」って作品もぜひ紹介しておきたい。でも,なぜか未だに DVD 化されていない…なして ??
0 件のコメント:
コメントを投稿