2010年11月27日土曜日

Tack, Tommi !


さて,いきなり写真から始まりましたが…今日はスウェーデンの話題。この写真を観ただけで何だかわかる人は多分かなりのスウェーデン通でいらっしゃるに違いない。

University College に住む Tutor の一人でもあるスウェーデン人の Tommi からこれをいただいた。Julmust という代物。ビールと同じ原料からできたソフトドリンクだってことなんだけど,コーラに似ているようにも見えるが,どうやらまったく別物らしい。パッケージはいかにもクリスマスのデザインだが,スウェーデンでも,これを飲むのはクリスマスかイースターのシーズンだってこと。なるほど,だから今入手可能なわけね。

でもやっぱり得体が知れないので,ちょっと調べてみた。Wiki で…

そうしたら,なかなか興味深い記述が…(以下引用)
  1. 4,500万リットルのユールムストが12月中に飲まれる(スウェーデンの人口は約900万人)が、これは12月に消費されるソフトドリンクの総量の50%近くにもなり、ムストの年間売り上げ量の75%に相当する。
  2. オリジナルのレシピは鍵のかかる金庫に保管され、レシピ全体は唯一人しか知らないと言われている。
  3. ムストは、炭酸水,砂糖,ホップからの抽出物,大麦からの抽出物,スパイス,着色料(カラメル),クエン酸と防腐剤からできている。
  4. ムストはガラス瓶の中でも熟成を続けることから、12月に購入しても1年間そのまま保存し、その後飲む人もいる。
ソフトドリンクの消費総量の 50% ってのはやっぱり凄いような気がするな。クリスマスには,みんなコレ飲んでるわけね。じゃ,僕もクリスマスまで取っておくか…

しかし,レシピを知ってるのが一人だけってのはスゲーな。今どき,そんな北斗の拳みたいなことがあるのか… 3. で原材料がかなり細かく明記されている割には配合比や製造手順,温度管理の方法なんかが未公開なわけね。しかも一子相伝…情報にはセキュリティホールが付きものだと思っていたけど,なんだかんだ言って「鍵のかかる金庫」ってのが事実上一番安全だったりするのか…現在の自分の研究テーマ的にちょっと複雑な気分ではある…

ノンアルコールっていうけど,瓶内熟成するってことは,一応発酵飲料なんだよね?Wiki には発酵させないって書いてあったけど,それはちょっと怪しいんじゃないだろか?

ちなみに Tommi は僕がビアテイスターなのを知っていて,これを僕にプレゼントしなくちゃ!って思ったらしい。ありがとう!クリスマスに試飲して,テイスティングノートを送るよ。

あ,でも Tommi は年末年始,日本に行くって話だったけどなぁ。三鷹の森でネコバスに乗れるといいね,Tommi !! Tack ! Tack så mycket !!

追記: 「ラベル」をどうつけるべきか迷ったけど,ビールファンにも関心のある人がいると思って,ビールじゃないけど,加えてみました。

2010年11月26日金曜日

ミッション終了

先日予告した通り,今日の午後は RMIT 大学で講演をしてきた。

同じようなテーマで学生に話したり,国際会議でプレゼンもしているけれど,今日のは今までのを全部ひっくるめて 1 時間にまとめたような内容。ストーリーが強引だったようなところも多少修正して,流れは良かった。

だけどなぁ,なんか寝不足だったせいか,自分では英語はメタメタだったような気がするなぁ。

あんまり,質問は多くは出なかったけれど,90 年代の初めにスペクトル拡散方式による電子透かしの研究をしていた Monash 大学出身の人が来てくれていて,ちょっとしたアドバイスをもらったのは収穫だったかも。

あと,学生に取ってもらったデータでちょっと不審なところがあったので,少し整理して来週あたり問い合わせてみようと思っている次第。

プラス,我々の現在抱えている問題に,どうしても受信側の S/N 比が小さくできないという問題があったのだが,これは理論的に導出された S/N 比の限界にほぼ等しいらしいことが最近読んだ論文から分かった。このことをキチンと確かめるためにも,もう少し大がかりなデータを取らなければならないかと思っている。ただ,この問題はある方法を導入すると改善できそうなので,この辺りはもう少し詰めるとうまく行くかもしれない。

12 月〆切の国際会議の論文があるんだけど,ひょっとすると現在の我々の方法による受信 SNR の限界を理論的に考察すると,それで行けるかもしれないな。来週一週間,それに取り組んで見よう。

2010年11月25日木曜日

グッズ購入

今住んでいるアパートは,大学の寮と同じ敷地内にあるアカデミック・ビジター用のアパートで,食事は学生と一緒に決められた時間に食堂で摂ることになっている。

で,学生たちを観ていると,ここの寮(University College) のエンブレムやロゴの入ったシャツやらパーカーやらをよく着ていて,「あれ,どこで売ってんだろう?」とずーっと思っていた。

そうしたら,今日の昼,何人かの学生が行商みたいに食堂にやって来て,店開きをはじめ,(多分,今年度余ったグッズを)売りさばいていた。

これはラッキーとばかりに,品定めして,ラガーシャツとネクタイを購入。

1年弱もここに住んでいた証としてね,やっぱりなんか残るものが欲しいもんね。

今回のは,大放出セール的な感じで,結局,本当はいつどういうタイミングで入手できるものか聞きそびれたのだが,まぁ,欲しかったものが手に入ってまずはよかったよかった。

2010年11月24日水曜日

14ヶ月ぶり42度目

えー,何のことかというと,「」。昨年,2009 年の夏が仮に 9 月の終わりまで,と定義したとするならば,僕が経験する夏は 14 ヶ月ぶり 42 度目

4 月に日本を出た時は,まだ夏を迎えていなくて,こっちに来てすぐに冬になった。当然のごとく,今年の日本の猛暑も経験していない。14 ヶ月も夏を経験していないと,体がすっかり冬モードになっているのね。30 度をちょっと超えたくらいで,体が悲鳴を上げています。今日もジョギングしたけど,いつもと同じ距離を走っても,なぜか,かなりキツイ。

メルボルンは先週末くらいからずっと 20 度台後半から 30 度近い気温が続いていて,天気も快晴の日が多い。部屋の中の空気も生暖かく淀んできて,外は風が吹いているかなぁ~という期待も,ドアを開けたとたんに感じる「ぬるい空気」でサックリと裏切られる。

暑い夏は別に嫌いではないんだけど,まだ体が順応していない。

先が思いやられますなぁ。

いよいよ,水と日焼け止めを常に持ち歩かなくてはならない季節の到来です。

そんなこの夏は 1 月に家族がメルボルンにやってきたり,その後,タスマニアに旅に出たりと,いろいろ予定もあって楽しみなので,それまでには暑さへの耐性を付けておきたい。

うーー,ビール飲もう。

2010年11月23日火曜日

ライヴ告知

今週の金曜日 11 月 26 日 午後 3 時 30 分 (AEST/UTC+11/JST+2) より,メルボルン大の少し南,Swanston St. 沿いにある RMIT 大学で,僕の講演があります。お近くの方はぜひお越しくださいませ(ここの読者でお近くの方がどのくらいいるかは微妙だが…)。

タイトルは

Information Hiding Techniques 
Based on Complete Complementary Codes

で,完全相補系列を用いた電子指紋とステガノグラフィの方式と特性,および,埋めこまれた秘密情報抽出時に原データを参照しない,いわゆるブラインド方式への拡張などについて最近の結果(注)を交えながら講演します。

詳しくは下記ポスターをご覧ください。


朝鮮半島の状況も非常に気になるところですが,金曜日の昼下がり,万障お繰り合わせの上,お越しください。

お問い合わせは,ぜひコメントでどうぞ。

(注) By courtesy of 大谷君(東京高専専攻科).

2010年11月22日月曜日

facebook を作った男

月曜恒例の Cinema Nova。今日は話題の "The Social Network" を観てきた。

世界最大の SNS サービス "facebook" を作り上げた男マーク・ザッカーバーグ。彼のちょっとしたアイディアがどのように巨大なモンスターに成長していくのか,その過程を描いた作品。監督はデイヴィッド・フィンチャー。事実に基づいたフィクションだけれども,「事実」から映画化されるまでわずか 7 年というのは,記録的に短いんじゃないだろうか。オーストラリアでも facebook はポピュラーだし,映画自体の評判もいいので,興行成績も上々のようだし,劇場も学生を中心に賑わっていた。

facebook 成長の裏には訴訟に次ぐ訴訟が繰り広げられていたわけだが,映画もマークと同じハーバード大の学生であった人物たちとの間の訴訟を縦糸にして,さまざまなエピソードをパッチワークのようにつなげながら,facebook が成長し肥大化していく様を描いていく。

なるほど,デイヴィッド・フィンチャーが好きそうな題材ではある。「人と人とのつながり」を生むインフラとしてすっかり定着した SNS であるが,一見すると仮想的な「友達の輪」を作るツールのように見えなくもない。ところが,この映画で描かれているのは,その裏にある恋愛だったり,欲望だったり,ギリシャ神話にも似た裏切りの物語だったりと,やたら人間臭い「体温の通った」物語である。なるほど,評価がやたら高いのはこの辺にあるのかもしれない。創始者にすら予想もできない成長を遂げる仮想空間のモンスターを描いたのかと思いきや,実はヒューマンドラマ。外見は極めて現代的な題材を扱っていながら,作品を貫いているのはごく古典的なテーマなんだから。本物はどうか知らないけれど,機関銃のように人間離れした早口でしゃべりまくるマークと他の人物たちとの対比もなかなかおもしろかったりする(マークのセリフは早くてとてもとても全部は聴き取れない…)。

最初は,ハーバード大の学生コミュニティを通じて会員数を伸ばしていく facebook だが,それだけではいずれ限界が訪れる。そこでサチらずに,現在のように大きく成長した触媒の一つがナップスターの創始者であるショーン・パーカー。このショーン・パーカーを演じているのが,何とジャスティン・ティンバーレイク。僕は別に彼に何の思い入れもないし,彼の演技を観たこともなかったのだが,これがなかなかの好演。マークが彼と初めて会い,彼の話に吸い込まれるようにして惹かれていくシーンは,マークが初めて人間っぽい表情を見せて見どころの一つと言える。

個人的には物足りないなぁと思ったところもないことはない。たとえば,アイディアが創出される瞬間っていうのは,一見,「指パチン」みたいに突然訪れたように見えても,実はそれ以前にいろんな伏線があるはず。これは天才を描いた過去の数々の映画も同様に抱える問題なんだけれど,その「伏線」を限られた時間で描くのは難しいし,多くの場合退屈なんだろうな。仕方がないとは言え,ちょっと違うんじゃないかって気がしてしまう。

それともう一つはラスト。ショーンとの出会いのシーンに負けず劣らず,マークの究極の人間臭さが描かれているのがこのラストシーン。冒頭のシーンと対比してこの映画をうまくまとめるにはこの方法が唯一かつベストなのかもしれない。でも,ちょっと甘すぎるんじゃないかね。っていう気もする。

ということで,僕の難癖はどっちも「ないものねだり」の域を出ない。トータルとしては,現在も成長を続ける「ナマモノ」を正攻法で描き上げた力作と言っていいと思う。その意味でオスカー候補と言われるのも納得。

日本では 1 月公開とのこと。海外に比べると日本では facebook の広がりは今イチみたいだけど,映画の方はどうだろうね。

2010年11月21日日曜日

明確な目的を持った散歩

は…散歩と呼んでいいのか?

まぁ,よくわからないけれども,昨日,結構歩いたので,今日は買い物をしたりアパートの周りをブラブラするくらいにしておこうと思った。午前中は軽くジョギング。昼を食べた後,買い物。その後,散歩に出かけることにした。

で,その散歩に明確な目的があったわけ。前にも一度行ったんだが,アパートから北東の方面に歩いて 30 分くらいのところ,ノース・カールトンと呼ばれる地域に Rathdowne St. という通りがあって,そこに The Great Northern Hotel というパブがある。ここを目指した。

そうそう,今日はビールの話ですよぉ。

前にここに来たのは 5 月頃だったと思うので何と半年ぶりの再訪。近いのに…前に来た時はタップで 2 杯くらい飲んだだけだったが,その後で Tasting Paddle なるものがあることに気がついて,その時「また来よう」と誓ったんだが,実は今日まで忘れていた (^^;

ここはオーストラリアの地ビールが常にタップで 10 種類以上供されている。Tasting Paddle は 12 ドルで,好きな 5 銘柄を選び,ワイングラスくらいのサイズで出てくる。今日はこれをオーダー。


というわけで,気に入った順に簡単なテイスティングノートを記す。
  1. Feral Hop Hog IPA (写真の 1 番):
    これ,多分以前にどこかで呑んだことがあるような気がするが,すごく美味い。写真では薄い色に見えるけれど,左から日が射しているので,本当はもう少し濃い琥珀色。バラの花束のようなノーブルな香りに,グレープフルーツを思わせるシトラス系のアロマが混じる。酸味や甘みは強くないけれども,やはりグレープフルーツのような強い苦みに特徴がある。後味もその苦味が長く続き,甘酸っぱいフレーバーも少し残る。

  2. Hargreaves ESB (写真の 3 番):
    これは挑戦的なビールだ。こっちの人はこの香りをどう表現するんだろう?日本人的にはこれはアレですよ。奈良漬!こりゃ独特な香りだ。強いて言うなら熟した南方系のフルーツのような香りもあるかなぁ,マンゴーとかパッションフルーツとかね。やはり強い苦みに特徴があるんだけど,モルティな甘みもある。これはねぇ,やっぱり甘辛~いキュウリの奈良漬なんかと合わせると絶品だね。

  3.  Grand Ridge Stout (写真の 4 番):
    最初はモルティな香りが来る。というより,これまた日本人的には麦茶を思い浮かべるかも。口に含んで広がるのは深煎りのエスプレッソのようなアロマとキリマンジャロを思わせるような酸味と苦み。甘みは思ったよりも強くない。ただ,ボディは思ったほど重たくなかった。期待としてはもう少し甘みと重厚感があれば,ってところか。

  4. Feral Belgian White (写真の 5 番):
    これはスパイシーな濁り系のホワイトエール。レモンかオレンジのようなシトラス系の香りとコリアンダーの香り。ちょっと乳酸に似た香りも出ているかなぁ?苦味はほのかで,甘みよりも酸味が強い。この辺も本場のベルジャンホワイトを意識した出来かもしれない。ただ,個人的にはウィートビアは好きなスタイルなので,どうしても辛口になってしまうね。

  5. Mountain Goat Steam Ale (写真の 2 番):
    ホップ由来のシトラス系の香りとモルティな甘み,ほどよい苦みが感じられるけれども,期待したよりは目だった特徴に乏しい出来。ひょっとして小麦麦芽も少し使っていたりするかなぁ?さっぱりしたフィニッシュで,今日みたいな暑い日にグビグビいくのにいい感じのビール。
今日のナンバー 1 に選んだ Hop Hog は,ここのパブでもお薦めの一品らしい。何が一番良かったかって聞かれて,Hop Hog だと答えると,「そうだろ,そうだろ」って感じだった。

今日はゲストビールで,Holgate Brewery の ESB が来ていたので,それを pot でもらって,テラスでひなたぼっこしながらゆっくりといただいた。


う~ん,完璧な午後だね。