歌劇王ワーグナーの最後の妻の名はコジマという。
うん,そんなことはどうでもいいんだな。
今夜はいつもの Cinema Nova でドキュメンタリー映画 "Wagner and Me" の試写を観てきた。なかなか面白かった。この作品,ワーグナー自身が晩年に建立したバイロイト祝祭劇場で行なわれる音楽祭の舞台裏などを紹介しながら,ワーグナーの音楽と足跡をたどるというもの。
案内人は,この 1 月にとある問題で日本ではたいそうヒンシュクを買ったイギリスのエンターテイナー(と呼ぶのがいいのかどうか微妙だが…),スティーブン・フライ。
さて,テレビの司会者が音楽家の一生を追っただけなら,番組改編期に民放で放映される 2 時間バラエティみたいに聞こえるかもしれないが,この作品を複雑で奥行きのあるものにしているのは,ワーグナー一族とナチスとの関係である。しかも,スティーブン・フライ自身がユダヤ系で,親類をホロコーストで亡くしている。このことがまさに,タイトルの "Wagner and Me" につながっている。映画では,彼特有のウィットに富んだ会話でさまざまなインタビューなどを敢行していくが,ニュルンベルクで彼が見せた素の表情は,しばらく脳裏に残る。
ちなみに,ワーグナーが登場する映画としてはヴィスコンティの『ルートウィヒ/神々の黄昏』(1972)が有名。それ以外には,あまりデキは良くないけど,『ワーグナーとコジマ』(1988)という作品もある。興味を持った向きは探し出して観てみるとよい。
繰り返すようだが…
オレはワーグナーとは何の関係もないからね。
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