2011年3月5日土曜日

世界で見る日本Part1

今日の行動は 2 部構成。まず昼間は,前から行こうと思っていた MCG (Melbourne Cricket Ground) のスタジアムツアーに参加。



ここはメルボルンオリンピックのメインスタジアムであったわけだが,今は,夏はクリケット,冬は footy のスタジアムとしてフル回転している。スタジアム内ではメンバー限定のエリアに入ることもできたり,経験豊かなガイドが粋なジョーク交じりに説明してくれてなかなか楽しかった。

地下は国立スポーツ博物館になっていて,ここも見学。オーストラリアのスポーツ,特にフットボールとクリケットの歴史に加え,MCG の歴史,オリンピックや競馬などに関する展示の他,各種のスポーツを実体験できるエリアもあってなかなか面白かった。オリンピックの歴史に関する展示では,1940 年に予定されていた東京の夏季五輪と札幌の冬季五輪が日本軍の満州侵攻のためにキャンセルされたこと,そしてそれぞれ 1964 年と 1972 年に復活開催されたことも説明されていた。

一方,夜は ACMI で溝口健二監督の『瀧の白糸』を弁士の説明つき(もちろん日本語)で観た。日本でもなかなか観る機会がないので,少なくとも僕にとってはビッグチャンスだった。今日の弁士は片岡一郎さん。映画はもちろん,オーストラリア人も多く見に来ているわけで,映像に英語字幕,それに弁士による日本語の説明がつけられるという趣向。これがなかなか面白かった。上映前に片岡氏本人からも言及があったが,映像についている日本語字幕は片岡氏の師である澤登翠さんの台本を英訳したものということ。今日の弁士の片岡氏は自身の台本でやるということで,これが微妙に違っていて面白い。字幕が出ているところで弁士はだんまり,一方,字幕にはないことを弁士がいろいろと喋る,などなど。サイレント映画を活弁付きで観る醍醐味だ。弁士自身による演出で,雰囲気も少し変わって見える。

しかし,日本で活弁付きで観ることができても,英語字幕はないわけだ。今日は,字幕を眺めながら日本語を聴いていたもので,2 人の弁士の話を同時に聞いているような妙な錯覚を覚えながら観ることができた。これぞ,海外ならでは。師弟関係にある弁士二人の勘所の違いも少しわかって,会場にいた日本人は,オージーよりも豊かな映像体験ができたと思う。

片岡さん,ありがとうございました。大いに楽しみましたよ。

さて,実は明日も,ここメルボルンで「日本」を観る予定…いや,「日本を」と言うべきではないのかもしれないけど…詳しくはまた明日。

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