2010年8月6日金曜日

MIFF #13

"Enter the Void" @Forum Theatre

アホか,こいつ。高校の時の担任のジ~さんは,「バカ」より「アホ」の方が愛情がこもってるって言って,「アホ」を多用してたなぁ。まぁ,ここでもそういうアホってことで。

ということで,アホ,もとい,変態,もとい,奇才ギャスパー・ノエの新作です。日本では 5 月頃に公開になってたようですな。実は,この作品,当初は全く観る予定に入ってなかったんだが,キネ旬誌上で塩田時敏さんがギャスパー・ノエにインタビューした記事を読んで俄然観たくなってしまった。別に塩田氏と同郷であることは関係ない。

幼い時に事故で両親を失ったオスカーとリンダの兄妹。東京で再会した二人だが,今は兄貴はドラッグディーラー,妹はストリッパーに身を落としている。映画の序盤でオスカーは警官に撃たれて死に,それから後の 2 時間余りは,幽体離脱した彼の魂が東京の街をさまよいながら,リンダを追いかけていく。

なんちゅう話だよ。2 時間もこのオバケの目線で俯瞰から東京の街を見下ろす。雑居ビルの壁を抜け,穴から穴へ,光から光へ。時には時間を超えて過去へトリップする。そんなん面白いのかよ,って思うでしょ? ねぇ?? でも,このオバケの疑似体験が結構面白い。おおよそ想像はできるけど,観たことない映像のオンパレードで,2 時間画面に釘づけだったよ。それに,オバケが飛びまわっているだけで,オチはどうつけるんだろうと予想しながら観る楽しみもあった。実は,結末は予想したいくつかのオチのうちの一つだったんだが,そこに至るまでに,何度か裏切られる楽しさもある。ただの変態じゃないことを見せてくれた。

しかし,これ,人によって評価は別れるだろうねぇ。こんなのを面白いと思えるなんて,俺も変態かねぇ?

あー,変態を 3 回も使っちったよ。あ,これで 4 回目だ。

★は 7 つのつもりだったが,オープニングタイトルがカッコ良かったんで 1 個サービス。オープニングで拍手が起こったよ。

ところで,これ,日本ではボカシ入りまくりだったんですかね…??

Enter the Void (邦題:エンター・ザ・ボイド)
(2009 年 / フランス=ドイツ=イタリア / 154 分)
監督:Gaspar Noé
出演:Nathaniel Brown / Paz de la Huerta / 丹野雅仁
第42回シッチェス国際ファンタスティック映画祭撮影賞 / 審査員特別賞

★★★★★★★★☆☆

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