2010年5月25日火曜日

仕事ばな~

久々に研究の話を。

今,Udaya さんと一緒に,IBES というメルボルン大学発の産学公連携機関(どこの国にも同じようなものがあるのね)に提出する基礎研究基金の申請書を作成しています。というか,僕は適当なことをつらつら言うだけで,書類は作成してもらっている。

テーマは,電子透かしに関するものです。電子透かしと言っても分野外の人はピンと来ないだろうから,少し丁寧に説明しますか。動画や音声などのデジタルデータに,画質や音質に極力影響を与えないように,秘密の情報を埋め込んでおきます。このとき,たとえば,著作権情報を埋め込んだりすると,そういった知財の保護につながる。あと,たとえば,ネットショッピングで音楽のデータを有料ダウンロードしたときに,購入者の情報を埋め込んでおくと,購入者が不正コピーをしたり不正配布した場合に,その購入者のIDが埋め込まれたデータであることから,コピー元が誰かを突き止めることができたりするわけです。このとき,埋め込んだ秘密の情報が,雑音や悪意のある攻撃によって変質してしまったり,削除されてしまってはいけないので,できるだけ強い透かしを埋め込むことが大切なわけ。

実は、今回の提案はそういった強い電子透かしではなく,わざと弱い(fragile)電子透かしをデジタルデータに埋め込み,通信路やブロードバンドサービスの品質を推定しようというような方向のものです。これは,雑音などによって影響を受けやすい透かしをわざと埋め込んでおいて,その透かしがどのように劣化したかを観測することで,本来のデータそのものがどのように劣化しているかを推定する,というものです。この手の研究は,今に始まったものではなく,もう 10 年余りもさまざまなアプローチから提案が行なわれているものなんですが,そこに僕や Udaya さんが持っているちょっとしたアイディアをつぎ込めないか,というわけです。

一応,僕がこっちに来ている目的は,電子透かしに関するテーマで来ているんだけれど,僕自身が持参したテーマは,最初に説明した強い透かしに関するものでした。ところが,ちょうどこっちでこの手の弱い透かしに関するプロジェクトを立ち上げるタイミングだったもので,勉強がてらそこにも参画しようと,まぁ,そんなわけです。ちゅうことで,強弱の 2 足のわらじでしばらく続けていくことになるかも。

研究プロジェクトは,Udaya さんと僕のほか,メルボルン大の研究者があと 3 人,それに学外の研究者(実は知人だったりする)を 1 名加えた 6 名で組織されています。〆切が 27 日ってことで,ちょうど大詰めです。核の部分はほぼ書き終わって,後は事務的なデータを付け加えるって感じです。あ,僕の履歴書も添付しろと言われているのだ。作らないと。

ねぇ,ただ遊んでるだけじゃないでしょぉ。

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